超高層ビルの"なぜ"を科学する

だれもが抱く素朴な疑問にズバリこたえる!

 

■著者/大成建設「超高層ビル」研究プロジェクトチーム

■本体価格/1600円

■発 行 2009年9月

■ISBN 978-4-86059-076-5

■判型 A5判

■ページ 190ページ

 



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超高層ビルは最先端建築技術の結晶だ!

私たちの生活にすっかり身近となった超高層ビルーー。でも、改めて考えてみるとそこら中に「?」がいっぱい。日本を代表する総合建築会社、大成建設の選りすぐりの執筆陣が、だれもが抱く素朴な疑問に懇切丁寧に答えながら、最先端の建築技術がぎっしり詰まった超高層ビルの魅力を紹介する。

 


▶︎もくじより

序章 超高層ビルをめぐる最新トピックス

 ・えッ!? 世界各地の超高層ビルにもお国柄がある?**10

 ・天に向かって突っ走る! エレベーターはどこまで速くなる?**14

 ・汐留の超高層ビル、実はこれ以上高くできない理由がある**16

 ・超高層ビルがCO2削減に深く関わるという理由は?**18 

 ・超高層ビルを建てる際にゼネコンが果たす役割は?**20

 

   ——章末コラム 超高層ビルの最上階からどこまで見える?**22

 

 

第1章 どんなに高くなっても超高層ビルが倒れないのは「なぜ」?

揺れに強く倒れにくい超高層ビルの構造を科学する

 ・“頑丈”だから“安全”というわけではない!?**24

 ・同じ超高層ビルでもオフィスとマンションで造りが違うのはなぜ?**26

 ・弱点は柱の継ぎ目のような気がするけど、なぜ折れないの?**28

 ・地震が起きても超高層ビルが倒れないという理由は?**30

 ・建物の構造には「剛構造」と「柔構造」があるけど何が違うの?**32

 ・なぜ超高層ビルには「柔構造」がいいの?**34

 ・最近よく聞く「長周期地震動」に超高層ビルが弱い理由は?**36

  [コラム]そもそも「超高層ビル」とは高さ何メートル以上をいう?**38

 ・地震の揺れ、上層階より下層階の方が大きいことがあるの?**40

 ・「耐震」「免震」「制震」って何? どこが違うの?**42

 ・普及し始めた「免震」「制震」のしくみを詳しく教えて?**44

 ・「耐震」「免震」「制震」はどうやって使い分けるの?**46

    ——章末コラム 「ビル酔い」のしくみと対策**48

 

 

第2章 あれほど高く大きなビルが意外なほど早く建つのは「なぜ」?

見る見る間に建ち上がる超高層ビルの工法を科学する

 ・早い!簡単!しかも安全! メリットいっぱいの積層工法**50

 ・いっぺんに3フロアが完成!! 超高層ビルならではの建て方とは?**52

 ・傾いたビルなど聞いたことがない。まっすぐ建てる工夫とは?**56

 ・なぜ工期は短いほうがいいの? そのための方法は?**58

  [コラム]超高層ビルの工事費はどれくらい?**61

 ・「ネジ1本落とさない!」——用心に用心を重ねる落下防止策とは?**62

  [コラム]ビルはどのくらいの高さまで建てられるの?**64

 ・どこでも建てられるわけではない! 超高層ビルに適した地盤とは?**66

 ・地下水湧出、「山留め」工事…。都心とは思えない大変な基礎工事**68

 ・外からはうかがえない地下部分の重要な役割と構造とは?**70

 ・そもそもビルと地盤とはどうやって固定されているの?**72

 ・えッ!? いまも木製がある? 基礎に使われる杭の種類は?**74

 ・建築時のゴミ、ホテルが多くオフィスが少ないのはなぜ?**76

 ・廃棄物をゼロにするため現場で取り組むの3つの活動とは?**78

 [コラム]進む建物緑化**81

 ・超高層ビルの解体は100年に1度!? どうやって取り壊す?**82

    ——章末コラム 風による圧力は膨大。軽減する対策は?**84

 

 

第3章 超高層ビルには何か特殊な材料が使われている?

強度が高く管理も複雑な超高層ビルの材料を科学する

 ・超高層ビルには今も紀元前の「材料」が!?**86

 ・超高層ビルで使われる材料は普通のビルと何が違うの?**88

 ・技術の粋を集めた超強度材料。普及を妨げる意外なネックとは!?**92

 ・へぇー同じビルの柱でも、上層階と下層階で材料が違うの?**94

  [コラム]超高層ビル1棟に使われる鉄骨、コンクリートの量は?**96

 ・窓ガラスに鳥などがぶつかったらどうなるの?**98

 ・えッ!? 超高層ビルの外壁は単に吊り下げられているだけ?**102

 ・では、超高層ビルの外壁はどうやって取り付けるの?**104

 ・人がぶら下がれるはずもない! 窓ガラスの清掃はどうやるの?**106

 ・ビルを長く安全に使うためのメンテナンスの方法とは?**108

 ・超高層ビルに寿命はあるの? 長持ちさせる秘訣は?**110

    ——章末コラム 超高層ビル特有のコストとは?**112

 

 

第4章 万が一、超高層ビルで火災が発生したらどうなる?

二重、三重でガードする超高層ビルの防災対策を科学する

 ・超高層ビルの地震・雷・火事・おやじ対策**114

 ・建築材料の耐火性能は上層階と下層階でなぜ違う?**116

 ・「火が出た!」——まず初期消火、延焼防止で活躍するのは?**120

 ・もし、エレベーターが止まったら、どこから避難する?**122

 ・消防車のはしごが届かない! では、どうやって消火する?**124

  [コラム]超高層ビルの高さは経済力の証!? **126

  [コラム]日本の超高層ビルが世界に遅れをとったワケ**128

 ・なんと雷が横から来る! 超高層ならではの落雷対策とは?**130

    ——章末コラム 建築と土木——似ているようでこんなに違う**134

 

 

第5章 地上数百メートルの高さでも、なぜ水や電気が普通に使えるの?

より快適、より安全、より過ごしやすく。超高層ビルの設備を科学する

 ・“快適さ”を左右する設備の善し悪し**136

 ・シンプルだけど高精度。エレベーターの知られざるしくみ**138

  [コラム]超高層ビルに住んだり勤めて人体への悪影響はない?**141

 ・エレベーターの待ち時間を減らす“ナルホド”の工夫**142

 ・1日の使用量がプール2杯分!! そんな大量の水がどこにある?**144

 ・屋上にある貯水タンクまで、どうやって水を汲み揚げる?**146

 ・そもそも1階でも最上階でも水圧が変わらないのはなぜ?**148

 ・上層階に設置されたプールは、どうやって水を入れ替える?**150

 ・最上階からの排水はものすごい勢いで落ちていくの?**152

 ・1棟で使う電力量はどれくらい? どこから入手する?**156

 ・停電が起きたらどうなる? 復旧までどれくらいかかる?**158

 ・空調を快適に保つため、換気で工夫されていることは?**160

 ・あれだけ風雨にさらされて、雨漏りや漏水はないの?**162

 ・オートロックは当たり前。防犯対策はどこまで進化する?**164

 ・ビルの屋上には何がある? 外に出たらどうなるの?**166

    ——章末コラム 巨大なクレーンをどうやって引き上げる?**168

 

 

第6章 東京のビル建設では海風までも考慮するのは「なぜ?」

存在が巨大なだけに求められる超高層ビルの環境対策を科学する

 ・建物内部だけでなく周囲への配慮も必要**170

 ・冬でも冷房が必要!! ビルを効率的に冷やすには?**172

 ・たとえ下層階でも日当たりを確保する工夫とは?**174

 ・太陽光は厄介者!? 熱と反射が対策のポイント**176

  [コラム]ビルにまつわる制限はどんどん緩和されている**178

 ・高ければ高いほど問題を起こす“煙突効果”。その対策は?**180

 ・マンションの窓は開くのに、なぜオフィスの窓は開かない?**182

 ・困り者のビル風。対策の対象は地上1・5mの風だけ**184

 ・ゴーストが出る、二重に映るーー電波障害にどう対処する?**186

  ——〈新規〉参考文献**189

 

 


▶︎著者略歴

大成建設「超高層ビル」研究プロジェクトチーム

 

大成建設株式会社(本社 東京都新宿区)は、我が国大手5社の一角を占める総合建設会社。創業は1873年(明治6年)、大倉喜八郎が大倉組商会を設立したことに起源している。鹿鳴館(明治16年)、帝国ホテル(大正12年)、地下鉄銀座線(日本最初の地下鉄 上野〜浅草間 昭和2年)などを手掛ける。1946年(昭和21年)に現社名に改称。「建築」という言葉を初めて使用した企業でもある。1964年(昭和39年)に開催された東京オリンピックにあわせて日本初の超高層ビル、ホテルニューオータニを完成させた。

「人がいきいきとする環境を創造する」を企業理念とし、超高層ビルやダム、橋梁、トンネルなどの大規模な建築・土木工事に数多くの実績をあげている。

「超高層ビル」研究プロジェクトチームは、本書制作を目的に、建築、設計(建築・構造・設備)、技術研究所など幅広い部門のスタッフにより結成された。情報の収集・提供・交換、原稿の制作・チェックなど広範な作業と度重なるミーティングに延べ50名以上が携わった。