健診・人間ドックはもうやめなさい!

 

■著 者 中原英臣 矢島新子

■本体価格 1000円

■発 行 2016年9月

■ISBN ISBN978-4-86059-166-3

■判 型 B6変形

■ページ 190ページ

 



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会社勤めをしている人には「会社の健康診断」があり、国民健康保険の加入者であれば、自治体から「健康診断」のお知らせが届く。そして、受診すると、半数以上の人が「血圧が高い」「血糖値が高い」「コレステロールの数値が高い」など、「異常」という結果を知らされる。人間ドックに至っては、9割の人が「異常→再検査」となる。だが異常とされた数値が、どれほど異常なのか。「正常」とされる基準値は信用できるのか…

本書では、現在の健診・人間ドックにどれだけ意味がないか、それどころかなぜ却って問題なのか、数値の設定の矛盾点、薬漬けにされる異常な事態、そして薬剤業界の横暴とも呼べる実状まで、一刀両断にする。

▶もくじより

健診・人間ドックは病人をつくりだすメカニズムだ︱︱はじめに

1章 健診に意味がないこれだけの理由

世界でも珍しい奇妙な集団健診 22

厳しすぎる「正常」の範囲 23

「判定基準」のほうがおかしい? 25 

「受診者の半数以上が異常」こそ異常 28

健康な人にもクスリが投与されている 30

なぜ厳しい基準値にするのか 32

医師が増えると病人も増える? 33

必要以上に煽られる不安 34

健診での「異常」は異常ではない 36

結局はクスリをたくさん売るための手段 37

基準が男女別・年齢別でないのはおかしい! 40

病院によって基準値が異なる!? 42

厳しい基準なら早期発見できるのか 44

安心のためだけにコストをかけていいのか 46

 

2章 人間ドック神話の崩壊

人間ドックの受診者は年間300万人以上 50

恐るべき「人間ドック」の実態 51

そもそもムダな「精密検査」 53

なぜPETでがんが見逃されてしまうのか 55

早期発見・早期治療だけでは克服できない「がん」56

人間ドックで「客集め」58  

 

3章 意味のある「健診」はたった5項目!?

有効性に疑問だらけの健診 62

欧米の研究でも「充分な医学的根拠なし」と一刀両断 65

長生きしたければ健診を受けるな 66

ムダな検査や治療を追放する新しい潮流 68

以前とは変わった「病気の概念」69

「下げすぎは危険」なコレステロール、血糖値、BMI 72

血圧の測定は有効な検査 74

加齢によって血圧が高くなるのは当然 76

血圧は1回でなく何回も測るといい 77

高血圧よりも降圧剤のほうがリスキー 79

 

 

4章 本当に必要な健診項目とは

いまこそ必要なうつ病の問診 84

うつ病かどうかは自己診断できる 86

なぜ、うつ病が増えたのか 90

飲酒に対する問診の必要性 92

アルコール摂取量と病気は無関係? 95

肝臓がんと肝硬変の原因は酒ではなかった 96

アルコール依存症は自分でチェックできる 99

圧倒的に多い依存症を認めない人 103 

個人差が大きいアルコールの処理能力 104

アルコールに強い人ほど依存症に注意 106

喫煙に対する問診も不可欠 108

高齢化とリンクするCOPD 110

糖尿病の検査はⅡ型糖尿病の予防策 112

ひとつの基準だけでは判断できない糖尿病 114

 

 

5章 ムダな検査だらけのいまの健診

コレステロール値は高いほうが健康!? 118

悪玉コレステロールは本当に「悪」なのか 119

コレステロール値を「気にしなくていい人」とは? 120

なぜメタボ健診に意味がないのか 122

人気のアンチエイジングドックは信頼できるか 124

母子感染を防ぐためにはATLウイルス検査を 127

HPV感染から起こる子宮頸がん 129

子宮頸がんの早期発見を可能にするHPV検査 131

手軽にできる遺伝子検査やワンコイン検査も登場 132

 

 

6章 さらば健診・人間ドック

独自基準の「セーフ」「アウト」にある落とし穴 136 

短命をもたらした健康習慣 138

重要なのは「個人の事情」 139

問診が不充分な健診も無意味 140

健康管理は自己責任の時代に 143

ホームドクターとともに健康を管理 145

かかりつけ医は何を診てくれるのか 148

個人個人に“正常値”がある 150

ホームドクターの賢い選び方 151

健診・人間ドックを受けるリスクをから目をそらすな 152

検査はメリットよりもリスクのほうが大きい 154

看過できない手術のリスク 156

人間ドックを受けないのも勇気ある選択 158

 

 

7章 「治療」と称して乱発されるクスリ

露呈した製薬会社のデータ不正 162

明るみに出ない「不適切な関係」164

新薬が出ると患者数が増える謎 166

医療費増加の“真犯人”は誰か 167

「医療費を減らしたい」人たちの密約 170

副作用のないクスリはない 172

そもそも飲まないほうがいいクスリとは 174

自分のクスリを正確に把握する必要性 175 

たくさんクスリを出す医師とは関わるな 177

 

 

8章 もう延命医療は要らない

日本の終末医療費は9000億円 182

延命医療は医師の倫理によるものか 185

延命に役立たない不可解な検査 186

自分の最期はみずからが決める 188

 

 


▶︎著者略歴

 

中原 英臣(なかはら ひでおみ)

 

医学博士。1945 年東京生まれ。東京慈恵医大卒。米セントルイスのワシン トン大学でバイオ研究に取り組む。専門は遺伝子研究。2011 年に中咽頭が んになり、5 年間で2 度の転移を経験するも克服。山野医療専門学校副校長、 新渡戸文化短期大学名誉学長を務めるかたわら、元気で執筆やコメンテーター など幅広く活躍中。著書に『テレビじゃ言えない健康話のウソ』『知らないと 損する遺伝子のヒミツ』ほか多数。 

 

矢島 新子(やじま しんこ)

 

医学博士。東京生まれ。東京医科歯科大卒。パリ第一大学ソルボンヌ大学院 医療経済学修士、WHO健康都市プロジェクトコンサルタント、川崎市保健 所勤務などを経て独立。ドクターズヘルスケア産業医事務所代表。現在まで 20 社以上の企業の産業医を務める。著書に『医者が増えると、病気が増える?』 (共著)ほか。