ここまでわかった

PM2.5本当の恐怖

 

■著者/井上浩義

■本体価格/1200円

■発 行 2013年7月

■ISBN ISBN978-4-86059-128-1

■判 型 四六判

■ページ 174ページ

 



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中国からの黄砂により急にマスコミで取り上げられたPM2.5。呼吸器系に疾患のある人に甚大な影響を及ぼすとされ、通常のマスクでは予防効果がないこともあり、一種のパニックのような状況が起きているが、実はPM2.5は身近にも存在していた。工場の煤煙、車の排ガス、火山の噴煙ほか、喫煙でも発生する。ただし、人体への影響等は未解明の部分が多いとされる。PM2.5とはどんな物質なのか、なぜ問題なのか、どう防ぐのか。長年PM2.5を研究し、日本での第一人者とされる井上教授による本邦初の解説書。

1章 なぜいま「PM2.5」が騒がれているのか

◦そもそもPM2.5とは何のこと? **16

 

◦これまでの大気汚染とは何が、どう違うのか **22

 

◦えッ!? PM2.5は日本でも発生しているの? **26

 

◦欧米ではPM2.5にどう対処しているの? **29

 

◦日本の基準値はどれくらい? **33

 

◦なぜ、いまPM2.5が問題になっているの? **37

 

◦PM2.5問題はいつまで続くの? 収束するメドはある? **40

 

〈コラム〉◆自分が知りたい地域の測定値も簡単に知ることができる **45

 

◎全国30カ所PM2.5濃度(速報値)の推移(平成25年3月〜) **51

 

 

2章 「PM2.5」にはどんな特徴があるのか

◦目に見えないほど小さいのに何が問題なの? **56

 

◦小さいからこそ人を傷つけるとはどういうこと? **59

 

◦PM2.5は何から、どうやって作られる? **61

 

◦物理的な脅威に加え有毒な液体PM2.5も飛来する **64

 

◦窒素酸化物や硫黄酸化物が酸になるメカニズムは? **67

 

◦黄砂由来のPM2.5が水に触れるとどうなるの? **71

 

◦中国からの汚染物質は大気だけでなく海洋にも及ぶ **73

 

◦PM2.5に注意すべき地域は西日本だけ? その他の地域は大丈夫? **78

 

◦1日のうちでPM2.5に注意すべき時間帯は? **80

 

◦排ガスからもかなりのPM2.5が排出される**83

 

◦PM2.5の集め方・測定の仕方は? **85

 

〈コラム〉◆酸性雨とPM2.5**69

 

〈コラム〉◆日本以上に深刻な韓国の大気汚染 **76

 

〈コラム〉◆年々早まる黄砂の飛来時期。やはり春先が多い? **90

 

◎北京からのPM2.5レポート **94

 

 

3章 「PM2.5」の何が問題なのか

◦PM2.5は人の健康に害を及ぼすの? どんな病気を引き起こすの? **102

 

◦PM2.5はどこから、どれくらい身体に入ってくるの? **105

 

◦花粉症を誘発したり、症状を悪化させたりするの? **108

 

◦呼吸器系疾患のある人の注意点は? **110

 

◦呼吸疾患をより悪化させる「憎悪因子」にも注意する **113

 

◦循環器系疾患のある人の注意点は? **115

 

◦消化器系疾患のある人の注意点は? **117

 

◦眼科系疾患のある人の注意点は? **120

 

◦冬場の肌荒れも実はPM2.5が原因だった!? **123

 

◦PM2.5は神経細胞にも影響を与える!? **125

 

◦PM2.5の影響はすぐに出るもの? それとも時間がかかるもの? **128

 

◦医学的な治療法にはどのようなものがある? **131

 

◦食べ物は大丈夫だが、調理には注意を要する **133

 

〈コラム〉◆地上に降り注ぐPM2.5の影響 **135

 

 

4章 「PM2.5」の脅威からどうやって身を守るか

◦実は家庭内でもPM2.5は発生している **138

 

◦手洗い、うがいで効果はあるの? **140

 

◦どんなマスクなら有効なの? 効果を高める方法は? **142

 

◦目は洗浄液よりも何度も洗ったほうが効果がある **145

 

◦PM2.5に対する食事療法と運動療法 **147

 

◦空気清浄機は換気量よりフィルターの性能で選ぶ **150

 

◦職場でできるPM2.5対策は? **153

 

◦タバコは1本吸っただけで環境省の基準値を超える! **157

 

◦いま話題の遠心力タイプの掃除機では効果がない!? **159

 

◦落葉樹の森がPM2.5を防ぐ **161

 

〈コラム〉◆暫定基準値の設定は事態収束のための姑息な手段!?**163

 

エピローグ──子どもたちにより良い環境を残すために**168

 

 


著者略歴

井上 浩義(いのうえ ひろよし)

 

1961年生まれ。九州大学大学院理学研究科博士課程修了後、山口大学医学部助手、久留米大学医学部教授などを経て、現在、慶應義塾大学医学部教授。理学博士、医学博士。NPO法人新世紀教育研究会・理事長。 医薬品の開発を通じて、PM2.5やナノ粒子の合成および安全性試験を1990年代から研究してきた。また、科学の社会への影響について、多くの講演や解説を行っている。慶応義塾大学医学部に赴任以来毎年ベストティーチャーに選ばれ、丁寧な講義には定評がある。新聞、雑誌などへの執筆をはじめ、「世界で一番受けたい授業」「あさイチ」「はなまるマーケット」などテレビでも活躍中。 表彰は2010年度文部科学大臣表彰科学技術賞(理解増進部門)など。 主な著書に『最先端医療機器がよくわかる本』(アーク出版)、『食べても痩せるアーモンドのダイエット力』(小学館)、『改訂版 放射線のABC』(社団法人日本アイソトープ協会)、『ナースのための読み解く薬理学』(メディカルレビュー社/分担執筆)、『知りたい!医療放射線』 (慧文社/編著)などがある。